本州最東端「魹ヶ崎」を再訪した記録

  • 2023年7月1日
  • 岩手県魹ヶ崎

魹ヶ崎(とどがさき)とは

岩手県宮古市にある重茂半島(おもえはんとう)の魹ヶ崎は本州最東端の岬です。岬まではリアス式海岸の漁村の狭隘な道路を走りさらに徒歩1時間というやや敷居の高い場所にあります。本州の東西南北端の中では最も難易度が高いことでも知られています。しかしながら多くの旅人が訪れていてその絶景に感動しています。

魹ヶ崎は2005年に一度訪れていましたが東日本大震災後は初めて再訪しました。魹ヶ崎最寄りの集落である姉吉では津波が最大高さ38mの位置まで遡上する甚大な被害を受けました。遊歩道の入口にある漁港も甚大な被害を受けたようで昔とは様子が異なっていました。しかし本州最東端から眺める海の青さは昔と変わらずでした。大自然の前では人間の営みの儚さを感じてしまいます。

関連:魹ヶ崎Wikipedia

本州最東端へのアクセス

魹ヶ崎へ行くにはまず姉吉キャンプ場を目的地とします。宮古市側と山田町側からアクセスすることができますが山田町側は道が狭いのでおすすめできません。津軽石駅前から重茂半島に入ることを推奨します。酷道険道の類には慣れているので今回も前回同様に山田町側から県道重茂半島線に入りました。相変わらず道が狭いですが震災以降に集落を取り囲むようにごく一部がバイパス化されていました。基本的に地元住民しか通らないので対向車はノールックで突っ込んできます。死角のあるカーブではかならず徐行しましょう。

千鶏(ちけい)バス停前の津波記念碑

姉吉漁港手前の魹ヶ崎遊歩道入口。入口前に数台駐車可能です。姉吉キャンプ場の駐車場も利用できます。そちらは50台駐車可能です。キャンプ場前に自動販売機あり。

姉吉漁港の砂浜です。

遊歩道は最初の100mほどが舗装されています。特に入口部分は近年舗装されたのでしっかりしています。先に進むほど昔の舗装になりボロボロになっていきます。中盤以降は土の遊歩道になります。でこぼこしているので靴底の厚い登山靴をおすすめします。また途中に水場が無く、携帯電話も圏外になるため食料や水分をしっかり準備する必要があります。エスケープルートも無いのでリスク大です。

東日本大震災での津波遡上地点。実際に歩いてみると海岸からかなりの高さの位置にあることがわかります。

木橋があります。いくつかの枯れ沢を越えて岬へ向かいます。

岬には魹ヶ崎灯台があります。映画「喜びも悲しみも幾年月」ゆかりの灯台として知られています。平成8年まで有人で運用されていて灯台職員とその家族により航路の安全が守られていました。灯台敷地内には東屋があり思い出ノートが備え付けられています。また時間帯によって沖合を航行する大洗~苫小牧航路のフェリーを見ることができます。

本州最東端の碑。
魹ヶ崎を訪れた人だけがこの感動を分かち合えるでしょう。

訪れたすべての旅人に幸あれ!

参考資料

緯度経度情報

  • 緯度: 39度32分45.91秒
  • 経度: 142度4分16.47秒
  • UTMポイント: 54SWJ92047792
  • 標高: 21.9m