蓬田村の猫碑
- 2017年7月2日
- 青森県猫碑
はじめに
猫碑とは江戸末期から昭和初期にかけて作られた猫の姿が刻まれた石碑や石像のことです。かつて養蚕が盛んだった頃、外敵から蚕を守るために飼われていた猫を信仰する猫神信仰と関連があると言われています。養蚕が盛んだった長野県、宮城県や福島県に多く見られる石碑です。特に宮城県南部にある丸森町の猫碑が有名で全国で知られている猫碑の半数以上があります。近年、丸森町では猫碑を観光に活かそうと猫神マップを作るなどしていて次第に一般の人にも知られるようになってきています。
一方、猫碑は養蚕信仰とは別に飼っていた愛猫の供養のために刻まれたものとも言われています。丸く愛らしく彫られた姿を見ると生前とても可愛がられていたのではないかと思えます。今も昔も猫がみんなに愛される存在だったことが伝わってきます。
これらは宮城県の丸森町にある猫碑です。
(2018年2月撮影)
本州最北の猫碑
宮城県丸森町に猫碑が集中していることは有名ですが実は青森県にもあります。青森市の北西に位置し陸奥湾に面した蓬田村大字中沢の旧道沿いにその猫の石碑はあります。特に案内看板があるわけでもなく地元の人にもあまり知られていないようです。
しかし、2019年6月13日付けの河北新報にて「猫碑の最北端更新!?」と紹介されたことでにわかに注目を集めることとなりました。猫碑愛好家の間では昔から割と知られていましたが多くの人に興味を持ってもらえるのは何だかうれしいです。
蓬田村は特に養蚕が盛んな場所ではないのですが、記事の「蓬田村中沢地区の自治会長を務める若佐秀雄さん(73)は昔、他の地域から同地区に捨てられた猫たちを、ふびんに思った住民が供養の意を込めて碑を建てたとの言い伝えを聞いたという。」ことから建立の目的がわかりました。
さて蓬田村の猫碑は津軽線中沢駅の近くにあります。
駅からは徒歩5分程度になります。
陸奥湾に面した旧街道沿いにある青森市営バスの転回所が目印です。
近くに地蔵堂があります。
猫の石碑は地蔵堂の隣にあります。
これが蓬田村の猫碑です。
丸くなった姿が刻まれています。
よく見ると手前に食べていた魚らしきものがあります。
風化が進んでいます。
背面の状況です。
建立年などは見られませんでした。
参考資料
緯度経度情報
- 緯度: 北緯40度56分57.33秒
- 経度: 東経140度39分35.18秒
- UTMポイント: 54TVL71363317
- 標高: 1.6m