東北旅行記「エスクードがゆく!!」

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夏の信州巡り 日時:2009年8月7日〜2009年8月9日
場所:長野県・白馬ジャンプ競技場、馬籠宿、麦草峠、富山県・黒部ダム

夏なので、信州。

ETC割引1000円上限を有効活用して黒部ダムまで行って来ました。黒部ダムは堤高186m(日本第一位)を誇る日本を代表するダムの一つです。また近年ではNHKの人気ドキュメンタリー番組「プロジェクトX〜挑戦者達〜」で建設物語が放送されるなど映像化も多く、日本で最も有名なダムと言って間違いないでしょう。観光地としても人気があり、年間100万人が訪れています。今回は長野県側からトロリーバスを利用して行きました。早朝にも関わらず多くの人で賑わっていました。霧が立ちこめる黒部峡谷に浮かび上がるダムの大きさに圧倒されました!ちなみに前日に下流で人身事故が起きていたので観光放流はありませんでした。少し残念でしたが秘境の黒部ダムに立てたことだけも感慨深く、大満足の旅でした。


関連:黒部ダムオフィシャルサイト
関連:黒部ダムWikipedia


1日目2日目3日目


1日目:

8月7日(金)午前7時半 自宅出発。

7:30 自宅出発〜東北道 郡山南IC〜
8:25 那須高原SAで休憩
9:46 館林ICで下りて国道354号〜邑楽町〜
11:00 伊勢崎市内のコンビニで休憩〜上信越自動車道 藤岡IC〜
11:52 甘楽PAで休憩
12:43 東部湯の丸SAで休憩
13:30 長野IC〜長野市内で給油〜国道19号〜県道31号
14:34 道の駅「白馬」。天候は大雨
15:00 白馬ジャンプ競技場を見学
15:50 道の駅「ぽっかぽかランド美麻」で休憩&温泉
17:50 再び長野市内にもどりスーパーで夕食調達
19:00 国道19号〜事故のため犬戻トンネルが渋滞していた
19:53 道の駅「大岡特産センター」で休憩
20:42 道の駅「安曇野松川」到着。仮眠


東北自動車車をひたすら南下して群馬県の館林ICで下車。そこから下道で走り上信越自動車道に入りました。夏休み期間中ということで渋滞を心配していましたが、やや交通量が多いものの、順調に流れていました。長距離運転のため1時間ごとに休憩を取るなど気を遣って運転しました。あとはこまめな水分補給。エコノミー症候群防止のため頻繁にお茶を飲んでました。長距離ドライブ好きには常識ですが大切です。夏休みで長距離帰省される方はぜひ心がけて頂きたい。

那須高原SA
甘楽PA
東部湯の丸SA

長野県の「東部湯の丸SA」で休憩しました。駐車場から八ヶ岳が見えますが生憎の空模様で眺望はイマイチでした。昼食に焼きたてのパンを購入しました。値段が200円前後からと少々高めでしたが美味しかったです。揚げパンがすごく甘かったw

八ヶ岳
タコス
メープル揚げパン

長野ICで下りて長野オリンピックの舞台となった白馬村へ。ジャンプ競技場を見学するつもりでしたが大雨でリフトが運休していました。しかたなく下から写真撮影のみ。携帯電話で天気予報を確認していましたが翌日は曇りでした。旅の目的である黒部ダムの天気は如何ほどかとヤキモキしてしまいました。

例によって車中泊なので道の駅「ぽっかぽかランド美麻」で温泉。まだ17時前で明るかったので長野市内まで戻りました。市内の業務スーパー「ユー・パレット」という店で食料を買いました。業務用冷凍食品などが売ってて弁当や総菜なども格安でした。駐車場で長野のローカル番組を見ながら夕食。

夕食後、再び国道19号に入り南下。
翌日に備えて道の駅「安曇野松川」で車中泊しました。

白馬ジャンプ競技場
ジャンプ台
観客席
リフト運休
道の駅「ぽっかぽかランド美麻」
温泉あり
道の駅「安曇野松川」
貝ひもおいしいです^q^

サントリー白角で一杯。旅情を感じながら飲む自分の定番です。
どこにでも売ってる上にクソ安いしね。味は(ry

お盆休み期間中のためか車中泊車多し。
コンパクトカーからミニバンまで車種も多様でした。

2日目:

8月8日(土) 午前3時4分出発。

3:04 道の駅「安曇野松川」出発
4:04 黒部ダム扇沢市営駐車場着、仮眠
5:15 切符売り場に並ぶ
6:30 トロリーバス黒部ダム行き(始発)に乗車
6:45 黒部ダム到着
9:09 駐車場出発〜国道148号〜松本市〜塩尻市
11:11 塩尻市内で給油〜国道19号〜中山道
13:17 馬籠宿着
15:10 馬籠宿発〜中央自動車道 中津川IC〜恵那山トンネル〜
17:00 諏訪IC〜国道20号〜道の駅「信州蔦木宿」で温泉
18:30 「信州蔦木宿」発〜諏訪ジャスコ〜
20:00 道の駅「小坂田公園」着。仮眠。


心配した雨は宵の内には止みました。
黒部ダム行きトロリーバスの始発が午前6時30分だったので、早めに行って現地で仮眠することにしました。途中のサークルKサンクスにてソイジョイで軽く朝食。まだ夜が明けていない国道148号を北上しました。扇沢駅には午前4時頃到着。


しかし、既に駐車場は殆ど満車。


夜明け前なら良い場所を陣取れるだろうという思惑はあっさり否定されました。いくら始発が6時半と言っても周囲は真っ暗です。まさかこれほど人が集まっているとは思いませんでした。登山は朝早く出発する必要があるからだろうか。運良く一段低い所にある市営駐車場に車を止めることが出来ました。

切符売場も午前5時50分からの発売開始だと言うのに、窓口が閉まっているにも関わらず5時からみんな並んでました。自分も負けじと並んだわけですが小降りの雨に不安も増してきました。ここまで来て雨だったらがっかりです。しかし、明るくなってくると次第に雨が止んできました。青空も少し見えて期待が膨らみます・・・。

早朝の扇沢
扇沢駅
駅舎
切符売場

行列が出来ました。こんなに人がいたらトロリーバスも満車になるのでは?と思いましたがそこは大丈夫でした。バスは通常複数台で運行するらしく、1台当たり定員72名なので混雑時も乗れないことは少ないと考えられます。改札口に相当な人数が並んだので心配してしまいましたよ・・・。

ちなみに黒部ダムは現在日本で唯一トロリーバスが運行されている路線です。
トロリーバスは電気式で「無軌条電車」とも言われ、法律上の区分は電車となります。走行時はモーターの音がするし、直線区間はスピードも出るので、電車らしい面もあると思います。トンネル内での事故防止のため頻繁に警笛を鳴らしていました。トンネル内で破砕帯と呼ばれる場所を通ります。工事時に地下水の噴出によって苦しめられた難所で青いランプが目印です。また長野・富山県境の目印もありました。

15分ほどで黒部ダム駅到着。
ひんやりしたトンネル内を抜けると展望台です。

展望台休憩所
展望台は広い
霧が立ちこめる

幸い雨は降っていませんでした。

破砕帯の湧水

展望台の売店ではこの湧水で淹れたコーヒーが売られています。ラジカセからプロジェクトXのEDテーマ「地上の星」が延々とリピートされていました。

階段を下りる
レストハウス

黒部ダム。
圧倒的な大きさに感動でした!

ふぉっとダム

高台に設置されたカメラからリモートで記念撮影できる装置。黒部ダムを背景にした俯瞰写真を撮ることが出来ます。家族連れにおすすめ!

建設時のキャタピラ跡
黒部湖
ダム堤頂より
<
ダム中心
下流方向
ケーブルカー乗り場
時刻表
黒部ダムの気温

ケーブルカーに乗ることで更に標高の高い場所まで行くことができます。しかし、駅にあったライブカメラの映像は霧に包まれていて、天候も雨ということ泣く泣く断念。この次は晴れた日に訪れてロープウェイからの眺めを楽しみたい。

トロリーバス
駅舎の中へ
大混雑の駐車場
残雪が見えた

下界に下りてくると嘘のように快晴でした。

次の目的地である「馬籠宿」を目指してひたすら南下。中山道に入る頃には素晴らしい青空が広がりました。これこそ求めていた日本の夏、最高でした!!

ちなみに中山道(なかせんどう)は古くは「中仙道」とも書いていましたが、本州中央の山脈を貫いていることから、1716年に徳川幕府によって「中山道」と表記することが定められたそうです。その中で今回訪れた「馬籠宿」は43番目の宿場に当たります。明治28年と大正4年の火災により石畳と枡形以外は消失してしましましたが、その後復元されて現在の町並みとなったとのこと。街道の両脇に並ぶ民家や商店は昔風の作りになっていて統一感があり好感が持てます。年間を通じて多くの観光客が訪れるようです。

さて、何故馬籠を訪れたかと言うとは島崎藤村の「夜明け前」の舞台だからです。「若菜集」や「破戒」で知られ、近代日本を代表する小説家として名高い藤村は旧・馬籠村出身。幕末から明治の激動の中で木曽地方の移り変わりを描いた歴史小説「夜明け前」の主人公のモデルは父・島崎正樹であり、馬籠宿を中心に物語が進みます。上下巻に及ぶ大作ですがドラマチックで面白く、藤村らしい落ち着いた描写が好きです。

>木曽路はすべて山の中である。
>あるところは岨づたいに行く崖の道であり、
>あるところは数十間の深さに臨む木曽川の岸であり、
>あるところは山の尾をめぐる谷の入口である。
>一筋の街道はこの深い森林地帯を貫いていた。


「夜明け前」の冒頭です。”木曽路はすべて山の中である。”という有名な書き出しから始まりますが、実際にこの目で見た木曽は間違いなく山の中でした。こんな山奥にも関わらず国学に目覚め、平田門人となった平蔵(父・正樹)はある意味すごい。

関連:島崎藤村Wikipedia
関連:木曽馬籠宿オフィシャルサイト

中山道を南下
道の駅「木曽駒高原」
駐車場広い
道の駅「賤母」
お土産購入
日本の夏、木曽の夏。
馬籠宿駐車場
鮮やかすぎる夏
馬籠宿
入口案内
車屋坂
馬籠宿
坂に沿った町並み
建物は昔風
旧馬籠本陣前
現在は藤村記念館
復元された生家
永昌寺

小説「夜明け前」で重要な舞台のモデルとなった永昌寺。村はずれにあるイメージだったけど藤村記念館から目と鼻の先でした。ってか庭から見えます。

用水路
高札場前
馬籠宿の碑
高札場

江戸幕府が定めた法令を掲示するもの。人目に付きやすい所に設置し、法令遵守徹底を図った。当時は文字の読めない村人が多かったので、正月などに庄屋が村人を集めて説明を行ったらしい。読みやすいように楷書で復元されています。

展望台
双体道祖神
展望台は広い
恵那山
島崎家先祖の墓
墓石が所狭しと並ぶ
島崎正樹(平蔵)の墓より恵那山

>寺から譲られたその畠の地所もすでにあらかた地ならしを済まし、
>周囲の藪も切り開いてあって、なだらかな傾斜から谷の向こうに
>恵那山麓の馬籠村を望むこともできる。
>この眺望のある位置はいかにも師匠にふさわしいと言って、
>よい場所が手に入ったとよろこぶものは、ひとり勝重ばかりではなかった。

「夜明け前」より


主人公・平蔵の墓は先祖代々の墓から少しばかり離れた所にあります。小説通り、墓からは恵那山や馬籠の集落を望む事が出来ます。


馬籠宿を見学し終わった後は恵那山トンネルで再び長野県入り。
途中、諏訪市内では激しい大雨に見舞われるトラブルもありました。1時間当たり100ミリを越える土砂降りで洪水警報が出るほど。バケツをひっくり返したような雨で視界も悪かった・・・。夕食は昨年もお世話になった諏訪ジャスコで調達。
さらに北上して道の駅「小坂田公園」で仮眠しました。

諏訪市内
道の駅「小坂田公園」

時期的に車中泊多し。
路肩にテントを張って寝ている猛者もいました。


3日目:

8月9日(日) 午前4時出発

4:00 道の駅「小坂田公園」出発〜国道20号〜
4:55 茅野市内のコンビニで朝食〜国道299号
5:45 日向木場展望台
6:00 麦草峠到達〜国道141号〜国道254号〜下仁田
8:24 富岡市内コンビニで休憩
9:27 高崎市内で給油
10:50 足利学校見学〜国道293号〜東北道 宇都宮IC〜
16:00 帰着



蓼科中央高原
国道299号
展望台
中央アルプス
南八ヶ岳
茅野市・佐久穂町境
麦草峠
国道標高第2位

春に訪れた渋峠に続いて国道標高第2位地点も到達!

太平記念館前
足利学校

日本最古の大学と言われている「足利学校」。
なんとフランシスコ・ザビエルによって海外にも紹介されている。

学校門
不断梅
孔子廟
南庭園
歩道橋より撮影


足利からは国道293号で鹿沼まで抜ける定番ルートで北上。宇都宮ICから東北道に入りました。幸い渋滞はなく、快調に流れていました。16時過ぎに自宅に到着し、3日間の長距離ツーリングは大きなトラブルもなく終わりました。

ここ数年、信州方面を訪れていますが訪れる度に日本の原風景を再発する思いです。木曽路で見た抜けるような夏の青空、あれこそが求めていた景色でした。
最近は田舎でも都市化が進んでおり、昔ながら風景な失われていています。しかしながら、未だ日本には素晴らしい景色が数多くあります。皆さんが思っている以上に沢山あると思います。ぜひ旅に出かけて、そして感じてみてください。きっと楽しいですよ!

さて、この次に長野を訪れるのはいつになるのだろうか・・・。


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written by koutaro, 2009