東北旅行記「エスクードがゆく!!」

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福島県・山王林道(奥鬼怒林道)と平家落人の里をゆく!

期間:2008年4月27日
場所:栃木県・山王林道、前沢稲ヶ沢林道、霜降高原、川俣温泉

GW休暇ということで日曜日に栃木方面へ出かけて来ました。塩原温泉、川治温泉エリアには何度も足を運んでいますがさらに奥地にある湯西川温泉エリアは未探索でした。愛用のツーリングマップル東北には「平家落人の里」という興味深いコメントもあり、予てから行きたいと思っていました。平家落人の暮らしぶりや隠れ里と呼ぶに相応しすぎる山奥感など大変感じるところの多いドライブとなりました。

また、奥鬼怒林道の一部である「山王林道」を通行止め一時解除で運良く走破したり、黒部?湯西川間を通る「前沢稲ヶ沢林道」に挑戦して大変な目にあったりなど密度の濃い旅でした。後者については危機意識の足りなさ、マナーなど林道好きとしてまだまだ未熟で反省するところもありました。難易度的には許容範囲でしたが万が一を想定するなら走行を止めておくべきでした。ゲート閉鎖はなかったものの工事中で作業員にユンボを移動してもらうというトラブルがありました。好意で移動してくれたので助かりましたが本当にごめんなさいでした。その数km手間に土砂崩れがあって乗り越えて工事現場まで来たのですが(普通車は無理。4WD車だからこそ出来た)、それが”この先通行不可能”のメッセージだったのを読み取れなかったミスです。作業員曰く、「通行止めだからそのままにしてある」。全くなんともお恥ずかしい限りです。
しらばらく林道は自重しようかと思います。

林道マナーについては林道急行Forest Expressの”林道ドライブのススメ”がわかりやすい解説なのでおすすめです。再読して反省します・・・orz


関連:いろは坂Wikipedia
関連:前沢稲ヶ沢林道(林道データベース)
関連:日光霜降高原 大笹牧場
関連:日光森林管理所


クリックで別ウィンドウ表示!GPSログによる全走行ルート
※地図素材:CraftMap-日本地図HP素材集-




午前5時出発。郡山?国道4号?那須塩原?塩原温泉?湯西川

道の駅「アグリパル塩原」
広場が広い
湯西川温泉駅
冬期通行止め区間

湯西川温泉駅から県道249号で湯西川方面へ。朝8時前ということもあって湯西川はひとまずスルーして土呂部峠方面へ。昨年の春に挑戦した田代山林道を栃木県側から挑戦してみるつもりでした。もっとも残雪で通行止めの可能性が大きかったのでその時は川俣温泉方面に切り替えるつもりでした。案の定、田代山林道はゲート閉鎖(積雪のためかは不明)だったので栃木最奥の川俣温泉へ。川治温泉から相当の山奥だと思っていましたがさらに山奥へ。この辺りには平家落人伝説が伝わっていますが落人は相当苦労して流れてきたと思います。敵から追われる身と言っても道無き道を山奥まで逃げ延びるのは尋常ではない苦労があったのだろう・・・。

県道249号は冬期間写真の場所から土呂部まで通行止めとのこと。全線舗装道路で1.5車線あるので険道としては簡単なほうだと思います。一部勾配がキツイので注意。見通しはまずまずでした。ダムを軽く見学しつつ川俣温泉方面へ。

栃木県道249号
山深い・・
土呂部峠
田代山林道入口
通行止め
土呂部ダム
黒部ダム
ダム碑
川俣温泉方面へ

河原には大きな石がごろごろしてます。走っているとどこまで山奥に行くのか不安になります。川俣温泉への県道23号は狭小区間が随所にあり離合ポイントを上手く活用したいところ。交通量は結構ありました。最奥には秘湯と名高い奥鬼怒温泉郷があるためか山奥のくせにBMW等高級車と何台もすれ違いました。(セダンなんて1番下のランクでもマークXとか)。都会のブルジョワ階級は山奥での休暇がお好きなのか・・・。

上人一休の湯
アルカリ性温泉

立ち寄り湯。大人500円。ボディソのみあり。アルカリ泉だけあって肌がツルツルになります。硫黄臭が少しあるのが特徴的かも。無色透明。そもそも山奥なので訪れる人も少なく、客は自分と地元民と見られるご老人の2人だけでした。管理人もひまそう。

川俣大橋
アンカーが錆びてる

川俣温泉郷の温泉街の中にある「平家塚」を見学。入口がわかりにくいかもしれないので注意。塚は川を渡った向こう岸にあります。橋から徒歩5分です。「平家塚」というのは平家落人がこれより先は行き場がない、最早ここまでとなった時に財宝や刀剣類、着物などを焼いて土中に埋め、その地に土着することを決心した場所らしい。言い伝えに寄れば「夜な夜な塚の上に行燈が上がり、見れば目が腐り、さわれば手が腐り、登れば足が腐る」とあり村人も皆恐れて近づきたがらないそうである・・・。

平家塚
怨念か・・・

間欠泉のあるT字路まで移動。開通していれば山王林道で中禅寺湖まで抜ける算段です。運良く4月25日?5月12日まで一時的に通行止めが解除されており通行可。普通車もどんどん山に入ってます。全線舗装道路なのも安心です。林道からの眺めはダイナミックで、残雪の残る山々に圧倒されました。治山記念碑の場所は広い駐車場になっているのでそこで休憩するのもよいと思います。また標高も非常に高いので山から吹き下ろす風が気持ちよく最高の気分でした。夏にまたぜひ再訪したい林道です。ちなみに今回のドライブルートでの最高地点は山王峠でした。標高は1691mに達しました。車でこんな高い場所に行けるのも林道の醍醐味ですね!

下の写真の「西山金山跡付近」は瓦礫の山がすごかったです。金山の最盛期には数百人が住み学校まであったと言われている(本当かよ!?明治頃の話だろうか?)。しかもこの場所に温泉があるらしい。現在はコンクリートの升にお湯が溜まっている状態らしいけど、秘湯巡りの猛者達がこぞって入りにくる人気スポットらしい。すごい!

これより林道
奥鬼怒林道
山王林道区間入口
信号機あり
川俣大橋方向
西山金山跡付近
治山記念碑
太郎山?
残雪
山王峠
これより日光市
日光市側入口

無事、光徳牧場側まで下りることが出来ました。国道120号を中禅寺湖沿いに走り「いろは坂」まで移動。噂に名高い道路だけに期待でした。「エンジンブレーキ使用せよ!」の看板がやたら目に付くので緊張。エスクード(5速AT)は何故か2速レンジに入れられないゲートパターンなので3速で頑張ることに。先行するバスの後ろを走ったので速度を出さなくてすみましたが九十九折りの坂は噂通り。キツイカーブでしたが強みである前後重量比50:50のレイアウトが効を奏して意外と走行は楽でした。頭からスッと入る感覚は旧時代のRV車からは絶対に想像できない走りです。普段から思ってるけど地味にすごいぞ、エスクード!「いろは坂」も無事に走り抜けて次は「霜降高原道路」へ。

「霜降高原」道路は有料道路かと思ったら無料でした。ゲートも無し。昔は有料道路だったのだろうか。山は霧が出ていて見通しが悪かったです。戊辰戦争の時に幕府軍が野営した六方沢に架かる橋を見学。谷底からの高さは134mもあるというから驚きです。橋から眺める谷底に目が眩みます。休日なので車を止めて見学する人多数。

六方沢橋
めちゃくちゃ高い

霜降高原道路の終点には「大笹牧場」という観光牧場があります。ツーリングマップルには「ジンギスカン」がおすすめと書いてあったので昼食はここで。ふれあい牧場や遊具などもあって家族連れにもおすすめできそう。もちろんこの日も大にぎわいでした。ジンギスカン定食は食券方式で、カウンターで定食を受け取ります。メニューは「ジンギスカン」「野菜」「ライス」「わかめメスープ」そして新鮮な「牛乳」。牛乳もおいしいのでおすすめ。牧場で飲む牛乳は普通よりもおいしく感じるから困る(笑)ジンギスカンは生肉で渡されるので各自テーブルのコンロで焼きます。テーブル席でも一人のお客さん(主にバイク乗りかな)も割と居てヒトリストも遠慮することは全然ない。と、思う。

大笹牧場
観光牧場
ジンギスカン定食

味付きジンギスカン定食1300円也。
ツーリングマップルには「安くておすすめ」と書いてあったけど、肉が少なくてこれで1300円は高くね?とか思ったり。でも食べたら美味しくてそんな考えも吹っ飛びました。長野県旅行ではジンギスカン街道でジンギスカンを食いっぱぐれた経緯があるので今回はリベンジ的な意味合いもあって大満足。ついつい外の売店でもソフトクリーム(300円)を買ってしまいました。こちらもおすすすめでした!

大笹牧場ですっかり疲れが取れたので最後の目的地である平家の里へ。川治温泉から無難に行く方法もありましたが、ツーリングマップルにはショートカットできそうな林道があり挑戦してみることに(林道的には通り抜けに時間が掛かるので時間短縮よりは探索目的が殆どです)。高台にある民家の間を抜けて山の中へ・・・。

ゲートやコーンでの閉鎖はなし。看板に「通り抜け出来ません」と書いてあったけど”大型車は”ということなので行けるところまで行くことに。これがフラグだったのはその時は知るよしも無かったのであった・・・。

前沢稲ヶ沢林道
入口状況
”大型車は”?
序盤
勾配は緩やか

峠に近づくにつれて段々と悪路になっていきます。ってか全線に渡って落石があるのが非常に気になりました。大きさもこぶし大?人間の頭?タイヤサイズまで様々。落石の無い区間を探すほうが難しいほど。見るからに崩れやすそうな山肌も怖い。路肩も弱いらしく、ところどころで崩落がありました。補修もたくさん行われているようですが直した側からまた崩れていくタイプの林道だと思います。

崩れやすい山肌
溝深い

2WD車、普通車不可。SUVよりはクロカン車が欲しくなりそうな状況でしたがそこまで悪路になることはありませんでした。展望も悪いし、地盤が弱そうで気味が悪い林道です。あまりおすすめ出来ない林道だと思います。

がれき
補修区間
路肩弱い
広場
ダイナミック!
崩れてる・・・
舗装化!

舗装区間に出たときは正直ホッとしました。

残雪が・・

あーあーあぁ・・・orz
車から降りて状況を確認したところ土砂崩れは雪で固く締まっていました。写真左側に写っている岩で堰き止められている感じで横たわっています。高さは50cm?60cm、長さは2mほどの台形状の地形でした。横幅はエスクードでも問題無い範囲。とんがり山だと亀の子になる可能性があったので引き返すつもりでした。幸い谷側は岩でガードされているので滑っても落ちる心配はなし。万が一に備えて乗り越えた先でUターン出来ることを確認してから発進。ローレンジ直結&ESPの駆動力で安定して突破成功。

距離的に湯西川に下りたほうがずっと近いというのもありましたが、あの落石だらけの林道を引き返すのは嫌だな・・・という気分だったので乗り越えてしまいました。ここが反省する要素ですね。この先は何があるかわからない状況なのに怠惰な気持ちで先に進んでしまいました。不確定な要素より確実性を選択すべきでした。

ちなみにこの先に工事区間があって重機の配置によっては通り抜け不能。また路肩崩壊のため沢に落ちる危険性もあり。もし工事の人に重機をどけてもらえなかったら引き返すところでした・・・。湯西川側にはバリケードが設置されている模様(日中の工事のため解放されてました)。4月27日現在は通行止めです。

4WD車なので・・・
下界まで延々と道が・・・

ようやく湯西川に到着。「平家落人民俗資料館」と「平家の里」を見学しました。見学料はどちらも500円。民俗資料館は平家ゆかりの武具や掛け軸、着物、日用品が展示されています。期待していたほど平安時代の遺物はなく、殆ど江戸時代以降の日用品などでした。よく考えれば命からがら逃げているので持ち出せる宝物も少ないはずですよね。

豆知識ですが平家の落人だからと言って平家一族とは限りません。落人=落ち武者、公卿、女性、子供など家来や平家縁の人々も含まれるので平家末裔というわけではないのです。もちろん中には平家の血統もいたことでしょうがそれはそれでロマンというものでしょうか・・・。湯西川には「端午の節句には鯉のぼりをあげない」「鶏を飼わない」など落人ゆかりの風習があるということです。

関連:平家の落人Wikipedia

平家落人の里
復元移設の古民家

湯西川?塩原温泉?大田原?那須塩原?白河?郡山


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written by koutaro, 2004-2008